社会福祉学の100年をむかえて

 大正大学の社会福祉教育も100年を迎えました。あらたな決意ですすめてまいります。この間、多くの先達によって「研究・教育・実践」が展開され、福祉実践における「在野」の一角を担ってきました。そこに積み重ねられた実践力は貴重な財産であり、さらなる蓄積が求められています。
 近年、福祉の動向も大きなゆらぎの中にあり、福祉教育も渦中の課題設定が迫られてきました。加えて、「大学沙汰の時代」。福祉の「不易流行」を鑑み、大正大学の発展に「社会福祉教育」をいかに位置づけていくかが問われていることも事実です。そして、21世紀に入った現代は、少子高齢化した欧米諸国が主導するグローバル(global)化の推進によって、地球規模の「生きとし生ける生命」の危機のみならず、ローカル(local)な生活環境の破壊が急速に進んでいます。それらの課題解決に対して学際研究で発展してきた社会福祉学をもってしても解き明かせず、まさに大きな発想の転換を余儀なくされています。
 社会福祉学は、グローバルなソーシャルワークを視野に入れつつ、ローカルなソーシャルワークの課題に切り込み、従来の社会福祉を切り拓く研究と教育の新たな領域です。その中心軸は、仏教福祉思想に拠る揺るぎないソーシャルワーク研究と教育にあるということは言うまでもありません。今こそ、あらたな一歩を踏み出す時と決し、進展させていきます。一層のご理解とご指導をお願い申し上げます。

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